いや、なんで箱版買わなかったんだろうな、俺……。
まあ、とにかくシステムは腐っていた。インターフェースの設計もすんごくアレ(カーソルを画面右に動かすことで出現する携帯電話とか、ページを一つずつしか切り替えられない単語辞典とか)なんだけど、それよりとにかくバグが多い。クイックロードすると落ちてタイトル画面から終了しようとすると落ちて特になにもしてなくても落ちた。おいおいおい延期してこれかよ、といわざるを得ない出来。
うん、落ちるのはギリギリ我慢してもいい。こまめにセーブする癖もあるし、チャプター毎に自動的にクイックセーブしてくれる。クイックセーブで落ちたりしたら叫ぶけど、少なくとも俺はセーブで死ぬことはなかった。
とにかくシステムに対してプレイした人間の言いたいことはたった一つに限ると思う。つまり『 既 読 ス キ ッ プ 効 か な い 』 っ て 馬 鹿 な の ? っていう。
なんかすぐに直すんで待っててね! みたいなことをいってるけど流石にこんなん発売前に直せやと。そしてアップデータ適用すると既存のセーブデータは飛ぶ仕様。コピー対策なんざまともなもん作ってからにしろや。ファーック。
しかし。
しかしそのクソシステムを乗り越えてプレイする価値がありすぎるほどに、シナリオが面白かった。
もう、襲いくる絶望、絶望、絶望。一つ壁を乗り越えたと思ったら次の決断が待ってる。あらゆる伏線が主人公とプレイヤに向かって本気の牙をむいてくる。ガチで素晴らしい。感動して流す涙も美しいだろうが、本気で打ち拉がれて泣きそうになる、なんてのは、ゲームやっててそうできる体験じゃない。
やっぱり、一番キツかったのは例の手紙のシーンかな。ジャック=フィニィの『ゲイルズバーグの春を愛す』に収録されてる『愛の手紙』という短編をご存じだろーか。知らなかったら読んでおくといいと思う。そのあとでこのゲームをやると、人間不信に陥ること請け合い。……っつーかライターは絶対知っててやってるよな。お約束を逆手にとって、わざわざ絶望を仕込んでる。最高。
で、その絶望を乗り越えるカタルシスたるやもうハンパなもんではなく、そしてその「絶望を乗り越えた事実」こそが最後の最後で救いの手になって現れる、という神みたいな構成。
終わった後には「いいものをプレイした……」と放心するレベルだった。正直、システムのクソさはプレイしてる最中は全然気にならなかったもん。いや、まあ改めて考えるとクソなんだけど。ただ近々直す気はあるみたいなので、直ったら再プレイしようかしら。Rewriteもまほよも出ないだろうし、これはもう俺の中で今年ベストは決まった感がある。
もし興味があって、かつプレイしていないのであれば今すぐプレイすべきといえる傑作。タイムマシンとかシュレディンガーの猫とか相対性理論とかエヴェレットの多世界解釈とか好きなら親を質に入れてでも買うべきと思う。


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